〜 ISO22000の認証取得に取り組んだきっかけは? 〜


 ここ数年、食品に関する不祥事など安全性に関する問題が続いている。当然、各企業では安全・安心の商品を生産することを訴えているし、当社でも安全管理は徹底してきた。しかし、果たしてその安全性を誰が保証するのか。トップが指示していても、末端の従業員まで行き届いているのか分からない。
 "全員参加の安全"をどうつくり上げあるべきか?そう考える中で、食品安全マネジメントシステム「ISO22000」の認証取得に取り組むことに決めた。日本のと畜場の多くは平均25〜30年を経過する施設ばかり。ハードが古いものがほとんどだが、古いからといって良い商品がつくれない訳ではない。
 認証取得はトップと現場が一緒にならなければ不可能。まず、@従業員が一体となって安全管理の仕組みを構築すること、そしてA生産者が長期にわたり飼育した家畜を預かる立場として最高の加工技術と衛生管理のもと、消費者に安全で安心な製品を一貫して提供すること―――を目標に掲げ、約1年間かけて取り組みを進めてきた。


〜 ご苦労された点は? 〜


 今回の認証取得で特徴的といえるのは、カットセンターや内臓加工などの関連企業と共同で取得したこと。これまでISO22000を取得したと畜センターはいくつかあるが、関連企業と取得した事例は初めて。食肉業界には長いしきたりがあり、脱骨や内臓など、商品はいわば職人の技術に依存するところが大きい。
 ISO22000の認証を取得するためには、これまで慣習で行ってきたことを作業手順として書類に落とし込み、その運用のための確認、継続的な記録、監査が求められる。各企業とも当初から認証取得の方向で賛同していたが、それに伴う実務は相当の大変さがあった。
 しかし、安全確保のためには記録が不可欠という認識を徹底するために継続的な会議を実施し、相互にメリットがあるという認識を共有することができた。関連企業がすべて認証取得に参加することで、こうした職人の技をマニュアルとして規格化できたことは非常に意義がある。


〜 ISO22000を導入したことでどんなメリットが期待されますか? 〜


 認証取得により、売り上げが急に伸びるというようなことは考えていない。第一義は安全が担保された生産体制を構築し、継続していくこと。商売自体が大きく変わるものではないが、社員の意識は明らかに変化した。
認証取得には相応のコストが伴うが、リコールなど何か問題が発生した際の損失に比べれば決して高くない。従業員がレベルアップし、商品が良くなるのであれば十分に見合う投資だ。すでに量販店や生協などからも問い合わせをいただいている。


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